2017年11月23日 (木)

 ギルバート・グレイプ

映画 「 ギルバート・グレイプ 」 1993年 アメリカ映画

監督 : ラッセ・ハルストレム

出演 : ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイス

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この映画は20年近くまえに、友達に教えてもらって以来、VHSテープ、DVDでたぶん15回くらいは観ている。 スクリーンで観たことはない
パンフレットは初めて観てから、たぶん2,3年後に神保町の古書店でたまたま見つけた。
44ページもあって、巻末にシナリオ採録も載っていて、なかなかの充実度。

ジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオの共演作。 たぶんほかにないんじゃなかろうか。

この作品でジョニー・デップは主人公のギルバート・ブレイクを演じている。
舞台はアメリカ、アイオワ州の田舎町「エンドーラ」。 「音楽 のないダンスのような町」とギルバートは言う。
「10歳まで生きられない」と医者に宣告された知的障害のある弟、アーニー(レオナルド・ディカプリオ)は、もうすぐ18歳になる。
父親が17年前に首吊り自殺でこの世を去ってから、母親は自宅のソファで一日中テレビを見ながら食べ続け、脅威的に太ってしまった。
姉のエイミーとともに家族を支えるギルバートはこの町からほとんど出たことがない。

ギルバートは田舎町の地味な暮らしを送る青年で、のちのジョニー・デップの主演作、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウや「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」と同じ人物とは思えない。

華奢な体、長い手足で予測つかない行動のアーニーがすばらしい。 レオナルド・ディカプリオって最初からすごかったんだなあ。 最近作の「レヴェナント 蘇えりし者」でがっつり肉つけた顔と体で、髭ボーボーで、クマに襲われて半殺しの目に遭って、復讐に燃えて土の中から這い出る「ヒュー・グラス」と同じ俳優とはとても思えない。 「レヴェナント」も好きな映画だけれども。

若いころのジュリエット・ルイスが演じる、旅人のベッキーもすばらしい!
この作品で彼女のファンになった。  
、、最近のお姿はこのころとはずいぶん変わったけども。。

                         ・

ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオの最初で最後(?)の共演の大傑作「ギルバート・グレイプ」だが、実をいうと僕はスクリーンで観たことがない。
そんな機会はいつかあるのだろうか、、、
、、、 と思っていたら、それが来年上映されるんですね。

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「午前十時の映画祭 8」で来年2月にデジタル上映される。 
朝10時の上映だけれど、料金一律¥1100はうれしい。

      http://asa10.eiga.com

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なんと、「ペーパームーン」 、「バクダット・カフェ」もやるんだなあ。 

何度も観てる映画だけれどもね、これは楽しみです。

 

2017年9月 1日 (金)

 デッドマン

映画 「 デッドマン 」  1995年アメリカ映画 

監督・脚本 : ジム・ジャームッシュ

音楽:ニールヤング

この映画は公開当時、日比谷シャンテで2回観た。
いまでも年に3回くらい観ている。

主演のジョニー・デップが銃口を向けたDVDジャケットのせいですかね、レンタル店のTSUTAYAとかだとこの作品は「アクション」の棚にあったりする。
西部劇の世界だけど、アクション映画と呼べるほどの激しい銃撃戦のシーンはほとんどないので、ちょっと違和感。

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19世紀後半のアメリカ大陸、東部の街からやってきた青年紳士ウィリアム・ブレイクが心臓の脇に銃弾を受けたまま西へ西へと逃亡の旅を続けるロードムービー。

彼を助けるインテリのインディアン「ノーボディ(誰でもない)」は、ブレイクの名前を知ると、何故だか何十年も前に死んだイギリスの詩人ウィリアム・ブレイク本人だと思い込んでしまう。「デッドマンだ!」。 

この監督の映画にしては、少々残酷なシーンもあるにはあるけれども、白黒の映像がとにかく綺麗です。 

徐々に弱って身体で「デッドマン」に近づきながら、やがて海に辿り着く。
朦朧とした意識の最期の旅はひとり小舟に乗って太平洋を漂う。

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この映画「デッドマン」で何よりも好きなのが、実は音楽。

ニール・ヤングの全編ライブ。 ほとんどエレキギター1本の即興演奏(歌ってない)。
この映画全体がニール・ヤングのギターのPVだといってもいいくらい。
正直ものすごく上手い!、というほどではないと思うけど、早すぎない旅に寄り添うような、重く歪んだ、心にどーんと残るちょっと忘れられない演奏。
最初、劇場で観たときに「こんな映画音楽もあるんだ!」と感動したのをいまでも覚えている。 サントラCDが出たらすぐに買いました。
 素晴らしい。

「デッドマン」はジョニー・デップ出演作ではもっとも好きな作品のひとつだ。

「 ニホンオオカミは消えたか? 」

「 ニホンオオカミは消えたか? 」 宗像充 [著]

オオカミに惹かれる人は多い。
ギラギラした野生、媚びない生き方の象徴だったり、美しい姿や面構えだったり。


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「ニホンオオカミは消えたか?」は100年以上前に絶滅したとされる日本固有種のオオカミの正体を追うノンフィクション。
2017年1月初版発行で、ニホンオオカミ関連の書籍ではもっとも新しい本だ。 
著者の宗像充氏は1975年生まれのジャーナリスト、、あ、年下じゃん。。

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2012年2月にNHKで「見狼記」というドキュメンタリー番組が放送されて、たまたま僕もそれを観た。 各地に伝わるオオカミ信仰や、今もニホンオオカミの存在を信じて探している「オオカミに憑りつかれた人」に取材したりと、面白い内容だった。 
それまでオオカミというと「タイリクオオカミ」だと思っていた僕も、それよりすこし小さいとされる「ニホンオオカミ」に俄然興味をもった。
今にすると「なんであの『見狼記』録画しとかなかったんだろう」と思うけど、いや2012年当時は録画機器もってなかったしなあ。 NHKのオンデマンドのリスト探しても「見狼記」は無かった。

この本「ニホンオオカミは消えたか?」は「見狼記」の内容もふまえて、登場人物にも取材を重さねた渾身のルポタージュ。 面白かった。 
学術的な分類の情報、多くの文献、それに実に多くの人物を訪ねよくぞここまで調査してくださった、と思う。
「ニホンオオカミとないったい何か」を明らかにして、それはほんとうに消えたのか、というまるでミステリー小説を読んでいるような展開と構成。

ニホンオオカミというマイナーな分野ながら、著者やこの本の登場人物たちのエネルギーと狂気にもにた情熱の一冊。

2017年8月14日 (月)

 WILD

映画 「 WILD わたしの中の獣 」   2016年ドイツ映画

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この映画は2月くらいに渋谷のUPLINKで観たものです。
DVD化されているので、興味あるかたは、ぜひ、、、あまり強くオススメはしませんが。。

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野生のオオカミに強く惹かれて、捕えて自宅に連れ込み監禁して、やがて心を通わせ、愛を交わすその先は、、、 

乱暴は言い方をすると「獣姦」を美しく映画にするとこうなりました、みたいな作品だ。

主人公が野生、獣になっていく過程がもうちょっと丁寧に描かれていたらよかったかな、と思う。
ストーリーの展開が唐突すぎます。

この映画のオオカミはCGなどはいっさいなく、本物のオオカミだそうだ、、!?

、、いくら調教してあるオオカミとはいえ、演じる俳優も命がけだったろう。
 でも「本物」じゃなければ、僕も観にいかなかったけど。

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主演の女優はどこかで観たなあ、と思ったら同時期に公開されたドイツ映画「アイヒマンを追え!」で同性愛のハニートラップを仕掛ける、女装した男の役、で出てた女優だった。
鼻の脇にでかいホクロがあって美人すぎないところがいいです。

あと、この映画はDVDでも、食事をしながら観るのは止しといたほうがいいです。

エゴン・シーレ水彩画集

「 エゴン・シーレ ドローイング 水彩画作品集 」

これは2003年に初版が出たものですが、今年になって手に入れました。

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28歳の生涯の天才画家の鉛筆、木炭、水彩などの紙に描かれた作品、そのほぼほぼすべて350点あまりをカラーで収録してある。 すばらしい。

参考図版シーレの油彩画と関連作家のクリムトやオスカー・ココシュカの作品も載ってます。

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この画集は作品が1年ごとの年代順に収録してあり、詳細な作品データや解説もすべて日本語に翻訳してある。 実にわかりやすい。でも作品図版のページの表記は英語だけで、それが洋書の画集みたいで絵が見やすくてよろしい。
ドローイング、水彩に限っていえばシーレ作品集の決定版といえるだろう。

、、、ただ230×170mmのサイズがもうひとまわり大きくてもよかったかな、とは思いますが。。

帯に書いてある「切り裂くような線」から最後期(といっても27,8歳の若さだが)太く丸みを帯びた線まで。 油彩を描くときと同じように荒々しい筆致をしっかり残した水彩の筆さばき。

和書なので品揃えのいい書店や、ヴィレッジ・ヴァンガードの美術書コーナーで時々みかけます。 シーレファンの方は一度手に取ってみるといいと思います。

 ベルリン・天使の詩




映画 「 ベルリン・天使の詩 」  1987年 ドイツ映画

監督: ヴィム・ヴェンダース  

ベルリン、、白状すると1997年くらいまで、僕はこの都市は東西ドイツの国境線上にあるものだと思ってました。 「ベルリンの壁崩壊」がたしか1989年だから、なんという世間知らずだったのだろう、と思うのだけれど。 実際にはベルリンは当時の東ドイツのど真ん中にある都市で、高い壁にぐるりと囲まれた「西ベルリン」は西ドイツの「飛び地」、、というのもちょっと誤解があり、正確にはアメリカ、イギリス、フランスの占領地。 公式には西ドイツでもなかったのだと。 そんなことを97年にたまたま飛行機で隣に座った日本在住のドイツ人から教わりました。 それまでなんて無知だったんだろう、といまでも思うけれど。。

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ヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン・天使の詩」。2006年のデジタルニューマスター版がブックオフで安く出てたんで購入しちゃいました。

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これは1987年公開映画なので、「ベルリンの壁崩壊」の2年前になる。

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ベルリンの天使は白い衣装の中性的な容姿の若者でも、可愛い幼児でもなく黒いコートを着たおっさんだった。。 ブルーノ・ガンツが演じている。

で、そのベルリンの街を見守る「おっさん天使・ダミエル」はサーカスで空中ブランコを舞う女性マリオンに恋をしてしまう。 マリオンに強く惹かれるダミエルは地上に降り人間になることを決意する。 ダミエルが人間になるまで、西ベルリンに生きる人々をモノクロの映像で映し続ける。 終盤ダミエルが翼を捨て人間になると映像はカラーに変わる。

映画の大部分がモノクロで「思わず息を呑む映像美、詩情溢れるメルヘン、そして哲学的思索が凝縮された」、、、つまり刺激的な映画が好きな人には「退屈」だということです。

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この映画のクライマックスは最終盤の「謎の長台詞」。 人間になったダミエルとマリオンがバーのカウンターで語りあっている。 横顔の画面からマリオンのカメラ目線ドアップの映像になってあの長~い台詞が始まる。

「、、、新月は決断の時。先の運命がわからなくても、決断する時。決断するの。私達、今がその時よ。私達の決断は、この街の、すべての世界の決断なの。 今、私達ふたりはふたり以上の何か、、、 私達は広場にいる。 無数の人々が広場にいる。私達と同じ願いの人々。すべてが私達次第。 私は決心している。 今しか時はないわ。 、、、、」

一部を紹介しましたこの長い台詞。映画を観ている観客に向かって言ってるようなこれは何なのか、ずっとわかんなかった。
 
昨年、「町山智浩の映画塾」を視聴して、あっと思った。こんな内容だった、と思う。
「、、、途中から、観客席に向かって語りかけているこの長台詞。 これは明らかに『壁を壊しましょう』と言っているんです。扇動している。この映画をどのくらいの東側の人々が観たのか、それはわかりません。でも実際に2年後にベルリンを分断していた壁は崩壊した、みんなで動いたらあっけなく壊せたんです。」

なんか目から鱗、であります。 
それをわかったうえで観かえすと、ラストシーンの「壁」に向かって歩き出す老人の「乗船完了!」の最後のセリフもより深い意味をもったものに聞こえてきます。

 ひなぎく

映画 「 ひなぎく 」  1966年/チェコスロバキア/75分

監督 : ヴェラ・ヒティロヴァー (1929~2014)

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しばらく前ですが5月6日にTAMA映画フォーラムの特別上映会で観てきました。

いまでは入手困難なカルト雑誌「夜想」の35号「チェコの魔術的芸術」でこの作品の存在は10年くらい前から知っていたのだが、なかなか観る機会がなかった。

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たまたま新百合ヶ丘のアルテリオ映像館でこのチラシをみかけなかったら未だに観ていないだろうな。

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ファッション関係の有名人がこぞってこの作品を絶賛して「60年代チェコ・ヌーヴェルヴァーグの傑作」「ガールズ・ムービーの決定版」、、お洒落な女の子映画だと思ってしまいそうだけど、けっこうとんでもない映画でした。
これを観に来た着飾った女の子たちは、わけわかんない展開に茫然としてしまったのではないだろうか。 だって僕がそうだから。

姉妹と偽る「マリエ1」と「マリエ2」の2人のバカ女が男を騙して、嘘泣きしてとんずらしたり、好き勝手でハチャメチャな行動を1時間以上繰り返してるバカ映画だよ。

観ているうちに画面全体をハサミで切り刻んでこま切れになったり、モノクロから唐突にどぎついカラーリングになったり、実験的な効果音とかありとあらゆる映画手法を使うこの映画が50年前のチェコスロバキアで制作されたということに、後から衝撃をうけてしまった。

実際この女性監督は当時の政府に睨まれて、数年間活動停止だった。

とても「ガーリーでカワイイ映画」ではないだろ、と。
爆撃のシーンとかたぶん、皮肉や反体制の隠れた意味があるんだろうから、もう一度みたら僕の印象も変わるかもしれない。
なかなかその機会がないけれども。。




バベルの塔

40年ほど前だが「バビル2世」というテレビアニメがありまして、漫画家・横山光輝の原作で
ストーリーや主人公の顔も今となってはうろ覚えなのだが、なぜか主題歌の歌詞は憶えていて、ていうか今でも口ずさめるほどだ。 アニソンってやっぱりすげえなあ、と思う。
で、悪の帝王「ヨミ」と戦う超能力少年バビル2世の拠点が「バベルの塔」なんであります。

5000年前に地球に不時着した宇宙人「バビル」によって建設され、超高性能コンピューターで管理され、人口砂嵐を起こしてその場所を人類に知られていない「バベルの塔」!
、、、それが僕にとっての「バベルの塔」の最初のイメージだ。

なのでずーっと後になって、ブリューゲルやその他の西洋絵画で「バベルの塔」があるのを知ってほんとうに驚いた。 「バベルの塔は実在していたのか!?」と、、、違うって。

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そして、「バベルの塔」展! 

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僕は5月に観に行きました。上野の東京都美術館での展示は7月2日で終わってしまったけど、そのあと7月18日~10月15日まで大阪の国立国際美術館で開催中だ。 その後の巡回はないようなので日本で観るなら大阪がラストチャンスだな。

ブリューゲルの「バベルの塔」。 生涯3点描いた内、現存しているのは2点。今回来日しているのはオランダの「ロッテルダムの塔」。 もうひとつの「ウィーンの塔」よりサイズはちいさいが隅々まで完成度は高いです。

たぶんブリューゲルの油彩作品の実物を観るのは今回が初めてだ。

これはすごい。 絵のサイズは599×746mmと意外と小さいが、塔と風景の巨大なスケール感と恐ろしく緻密な描写。蟻のように蠢く人間たち。 

旧約聖書のとおりなら、神の怒りに触れて壊されてしまうことを暗示するかのような、なんだか不穏な雲がたちこめつつある。

この「バベルの塔」を日本で観られることは、おそらくないだろうから東京展が終わるまえにもう一回くらい観にいけばよかったかな~とか、ちょっと後悔してます。

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追記: 「バベルの塔」展には「奇想の画家」ヒエロニムス・ボス(ボッスと表記されてる場合もあり)の油彩作品2点「放浪者」と「聖クリストフォロス」が初来日してます。
展覧会ではこの3点だけをじっくり時間をかけて観た。 それだけで充分満足でした。

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展覧会限定グッズ。 「バベルの塔のスノードーム」。
これは何かとお世話なっている詩人の友人にプレゼントした。
彼はスノードームのコレクターだと知っていたので。 僕よりさきに「バベルの塔」に行ってなかったようでホッとした。

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ブリューゲル研究家として有名な森洋子氏の新刊「ブリューゲルの世界」が出版された。
が、僕の好きな「イカロスの墜落」は未収録。 ご本人の解説によると、この作品はブリューゲルの真作ではないというのが、最新の研究によって判明したそうで、多くの「イカロスファン」を落胆したという、、、 僕もがっかりです。。

2017年5月 5日 (金)

BLUE IN THE FACE

BLUE IN THE FACE   ブルー・イン・ザ・フェイス   1995年作品

「ブルー・イン・ザ・フェイス」。 この映画は「スモーク」の続編というより姉妹編、最近よく使ういいかただと「スピンオフ」作品といえる。

「スモーク」の最大の功績は「ブルー・イン・ザ・フェイス」を生み出したことだ。

「スモーク」のオーギー・レンの煙草屋という設定と可能なキャストをそのまま使い、即興の演出と演技と台詞で2本目の映画を作ってしまった。

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この映画、DVD化されてはいるものの、あまり流通されてないみたいでレンタル店にはほぼ取扱いが無い。 ネット通販で見つけても、高額だったりするのだが、たまたま安く出ていた時があって、購入しちゃいました。 俺は持ってるぜ。

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DVDのケース裏面にこの映画の内容紹介があるけど「大好きなたまり場の煙草屋を守るために、隣人たちが立ち上がる」というのは嘘です。
「隣人たち」は誰も立ち上がんない、です。

「顔が真っ青になるほど(Blue in the Face)、喋り続ける」というコンセプトのとおり、さまざまな有名、無名の人々が10分のテイクのなかで好き勝手なことを喋っている、それだけの1時間半だ。

ブルックリンの街や人々への想いのたけを。 
ロサンゼルスに移転してしまったブルックリン・ドジャースへの哀切の想いについて。
ベルギー・ワッフルについて (ベルギー・ワッフルのブームはこの映画からだという説があるがホントか?)

煙草をやめる決心をした」常連客のボブ(映画監督のジム・ジャームッシュ)は人生最後の1本を味わいにやってくる。
かつてのブルックリン・ドジャースの偉大なプレイヤー、黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンの幽霊(?)が現れ、あのマドンナは「踊る電報配達の女」としてほんの一瞬、数十秒の出演だ。

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この映画、好きなんだけど、一か所だけ気にいらないシーンがある。

それは「最後の1本」を吸い終えたボブ(ジム・ジャームッシュ)がその吸殻を灰皿に落とすところ。 煙草を高く掲げて「東京上空500m、、!」といってボトリと落とす。 
、、、つまり吸殻をB29の東京大空襲に見立てているんだな。 このシーンは残念。
もともとシナリオにあった台詞なのか、たぶんジム・ジャームッシュの即興の可能性が高い。
この人親日家だと思っていたのだが。
ていうか、この映画「日米合作」となっていて日本人スタッフもけっこう参加してて、よくこれでOKだったなあ、と思う。

そんなわけで映画「Blue in the Face」には満点を付けられずにいる。

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 ブルックリン・ドジャースについて

僕が「国民栄誉賞あげたい人No.1」の野茂英雄氏がかつて在籍した「ロサンゼルス・ドジャース」は1950年代までは本拠地がNYブルックリンでした。
というか「Dodgers(よける人)」というチーム名がそもそも「ブルックリンは人が多すぎて、
よけながらでないと歩けない」からついた名前だ。
ついでに小学生のころ誰もが、遊んだ「ドッヂボール」もボールをよける、という意味で同じ語源ですね。

2017年4月 9日 (日)

 Smoke デジタルリマスター版

映画 「 Smoke デジタルリマスター版 」  1995年日米合作映画

監督:ウェイン・ワン  脚本:ポール・オースター

2017年2月25日 新百合ヶ丘 アルテリオ映像館にて

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                 www.smoke-movie.com


不朽の名作「スモーク」ですよ。 公開されたのは1995年。
かれこれ22年くらい前の作品なのです。 
僕はたぶん、翌年の96年に今は無きミニシアター「関内アカデミー」で観ました。

それからビデオテープやDVDで繰り返し観て、台詞は字幕を読まなくても、ほとんど覚えているほどだ。

そして、この度の「デジタル・リマスター版」! すばらしい!

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↑ 左が今回の「デジタル・リマスター版」のパンフレット。
右が1995年の最初の公開時のパンフレット。恵比寿ガーデンシネマの「1周年記念上映作品」だった。

1990年 ニューヨーク・ブルックリン。
14年間、同じ時間同じ場所で1日も休まず写真を撮り続けるタバコ屋の店主、オーギー・レン(ハーヴェイ・カイテル)。
最愛の妻を銀行強盗の巻き添えで亡くしてから書けなくなった作家、ポール・ベンジャミン(ウィリアム・ハート)。
自分と母を捨てた父親を探す家出少年、ラシード。

この3人を軸に物語が展開されていきます。

見どころはいくつもあるんだけど、オーギーがポールに14年間撮り続けた街角の写真を見せるシーンがとくに好きだ。

 朝の8時、7番街と3丁目の角、 毎朝同じ時間、同じ場所でオーギーは写真を撮る。

「 俺の街角だ  世界の小さな片隅にすぎんが毎日いろいろなことが起きる

俺の街角の記録だ  同じようで一枚一枚全部違う 

よく晴れた朝 曇った朝 夏の日差し 秋の日差し  ウィークデー 週末

厚いコートの季節 Tシャツと短パンの季節  同じ顔 違った顔

新しい顔が常連になり 古い顔が消えていく

地球は太陽を廻り 太陽光線は毎日違う角度で射す  」

、、、、この詩のようなオーギーの台詞、大好きだ。

そしてポールは写真の1枚に亡くした自分の妻を見つける、、、

「 これを見ろ 見ろよ エレンだ 」

「 そうだ 出勤の途中だ 他にも数枚ある 」

、、そこでポールは肩を震わせ泣き崩れる、、

何度観ても、泣きそうになる名場面だ。

それよりも、「14年間、同じ街角、同じ時間の定点観測」という設定にやたら惹かれた。
どんなに単純なことの繰り返しでも、積み重ねればアートになるんだなあ、とか。

映画のラスト。 オーギーがポールに語る「クリスマスストーリー」。
最初はハーヴェイ・カイテルの見事な語りだけでストーリーを完結させて、さらにトム・ウェイツのひしゃげた歌声の「Inocent when you dream」をバックに、オーギーが語ったストーリーがモノクローム映像で流れるエンディングはいつまでも忘れられない。
たぶん、いままでに観た映画のなかでも,もっとも心に残るエンディングだ。

2時間足らずの上映時間に幾人もの人生を織り交ぜ、無駄なシーンも台詞も一切なく、絶妙に構築された傑作、「Smoke」。

 

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