2017年4月 9日 (日)

 エゴン・シーレ 死と乙女 

映画 「 エゴン・シーレ 死と乙女 」  2016年/オーストリア・ルクセンブルク作品

2017年3月25日 新百合ヶ丘 川崎アートセンター アルテリオ映像館にて

                     www.egonschiele-movie.com

画家エゴン・シーレは20数年来、もっとも好きな作家のひとりであるけれども、日本では1991年に渋谷Bunkamuraで「エゴン・シーレ展」以来まとまった数の作品を観る機会は未だない。この時の展覧会は美術館所蔵の作品でなく、すべてウィーンのレオポルドさんという世界的なシーレコレクターの所有する作品だったのだけれど、何点かの油彩の代表作と、あとは水彩や鉛筆、チョークのドローイングが多かったけど、120点(!)の圧巻の展示だった。
ご覧になった人いるかな?

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これは、昨年ヴィレッジ・ヴァンガードで見つけて買ったシーレのドローイング・水彩作品集。
ちょっと値が張ったけど、400点以上の作品が年代順にオールカラーで収録されていて、年ごとに日本語の解説もあって内容充実な一冊。 
、、でももうちょっと高くてもいいから、サイズが大きかったらもっとよかったかな。

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人差し指と中指、薬指と小指をくっつけて、そのあいだを大きく広げる。 なんでこんな不自然な手のポーズにしたのかいまだによくわかんないけど。

                            ・

1890年に生まれ(ゴッホの没年)、15歳のときに父親が梅毒で精神を病んだ末に死去。
16歳でウィーン美術アカデミーに入学。アドルフ・ヒトラーは翌年、同アカデミーを不合格。
3年で退学。仲間と新芸術家集団を結成。 グスタフ・クリムトに才能を認めらる。
1912年、少女誘拐の嫌疑で逮捕、24日間の拘留。
1918年、3月に「ウィーン分離派展」で大成功を収めるも、その年の10月にスペイン風邪で死去。 妊娠6か月の妻も同じ病で死去。 

ざっくり書くとこのように濃く、激しい28年の生涯。
事実だけで充分映画向きなんである。

ちなみに「スペイン風邪」は1918年~1919年に世界的に大流行した、人類史上初のインフルエンザらしいです。 アメリカが発生源なのに「スペイン風邪」なのは情報源がスペインだとか、この病の流行で、第一次大戦の終結が早まったとか。

                            ・

エゴン・シーレを描いた映画はこれまでに何本か作られたらしい、観る機会がなかったが。
実現しなかったが、デヴィッド・ボウイがシーレを演じる企画もあった。

で、映画「エゴン・シーレ 死と乙女」。2016年、シーレ映画の最新作。

1月に渋谷のBunkamura ル・シネマで公開されたけど3月から新百合で上映されるのがわかってたので、2か月待ってました。

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映画冒頭で1918年の瀕死のシーレ。妹のゲルティが見舞いにくるが、シーレの妻はすでに亡くなっている。 そこから1910年、8年遡って回想の形でシーレと妹のゲルティ、モデルで愛人のヴァリー、妻になったエディットの人生を1918年まで描いていく。

事前にシーレの生涯と作品を知っていたというのもあるかもしれないが、ほぼ事実どおりのストーリーがすごく面白かった。

なにしろ、身勝手なシーレに振り回されても、どこまでも献身的にモデルだけでなく、マネージャー的に画商への作品の売り込みまでして、つくしていながらシーレに裏切られるヴァリーが可哀そうすぎるわ。
タイトルにもなっている「死と乙女」のモデルはヴァリー。 
映画では彼女の訃報を受け取ったシーレは絵のタイトルを「男と乙女」から「死と乙女」に書き換える。

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このヴァリーを演じた女優。 
誰かに似てるなー、と思っていたんだけど、、わかった!
Superfly の越智志帆さんでした。

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映画を観て初めて知ったこと。 シーレの妹のゲルトルーデ(愛称ゲルティ)は1981年まで87年の生涯だった。 
美術家、作家、音楽家、多くの才能を輩出した、いわゆる「ウィーン世紀末」の関係者が、自分と同じ時間を生きていたというのは、不思議な感じだ。

                            ・

グスタフ・クリムトの登場シーンもあった。 クリムトというとなんとなくずっと「身体の大きい人」というイメージだったのだけれど、「エゴン・シーレ 死と乙女」に出てくるクリムトはそれまでの、例えば映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」のクリムトとかより、ずっとしょぼい、、小さな男だった。 シーレの才能に嫉妬する師匠なのだろうか。。

2017年4月 2日 (日)

 レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮

映画 「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮」

 2015年/ イタリア映画 / 82分

2017年3月12日(日) 川崎アートセンター アルテリオ映像館にて

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   www.davinci-in-labyrinth.com

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題名のとおり、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品についてのドキュメンタリー作品です。

おもに「円熟期」とされるミラノ時代の作品を中心に解説、解析していきながら、突如、俳優がルネサンス期の衣装を纏って出現して、レオナルドのパトロンや作品のモデル、弟子になりきって語り出す。

とくに「白貂を抱く貴婦人」のモデルとされるチェチリア・ガッレラーニという女性がまるで絵から抜け出たかのような衣装、髪型、顔もそっくりな女優が語りだしたときには僕的にはいちばんグッときた。

「白貂を抱く貴婦人」。この絵にはちょっと思い入れがあって、もう10年くらい前だけどこの作品がポーランドの美術館から横浜美術館に来たときに、この絵を繰り返し観るためだけに、横浜美術館の年間会員になって(たしか会員費¥6000)15回くらい観に行った記憶がある。

映画ではダヴィンチ本人は出てこなかった。もし、ダヴィンチが出てきたら「左利き」を演じるかどうか、ちょっと興味があったんだけど。

素行の悪さに「サライ (小悪魔)」と呼ばれた弟子が現れ、晩年の様子を喋り出したのは面白かった。

ナレーションや俳優達の語りはイタリア語で字幕ではなく、すべて日本語吹き替えだった。

劇映画だと俳優の実際の声で鑑賞したいという好みもあるだろうけど、このドキュメンタリーに関しては、レオナルドとその他同時代の作家の作品の精微な画像を字幕で邪魔されることがなかったので、吹き替えで良かったように思える。

 

2017年3月20日 (月)

真白の恋

映画 「 真白の恋 」 

監督:坂本欣弘  原作・脚本:北川亜矢子

出演: 佐藤みゆき 岩井堂聖子 福地祐介 山口詩史 杉浦文紀 及川奈央 長谷川初範

2017年2月26日 と 3月10日  渋谷UPLINKにて

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                                       www.mashironokoi.com

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いい映画です。 もう全力で誰にでもおすすめしたいぞ。 僕は2回観た。

いまのところ、都内と神奈川県内では渋谷のアップリンクでしか上映してないです。
横浜のジャック&ベティでは6月からの上映です。
ぜひとも新百合ヶ丘の川崎市アートセンターでもやってほしくて、その熱い要望を書いて、「ご意見箱」に投書してますが。。

富山在住の坂本欣弘監督の「故郷の富山を舞台に、家族をテーマにした映画をつくりたい」という一心で自主映画としてスタートした今作。 
脚本家の北川亜矢子のオリジナル作品。

主演は前項で紹介した映画「貌斬り」にも出演していた佐藤みゆき。
これが初主演映画。

 
ストーリーは富山で家族と暮らす、軽度の知的障害者、渋谷真白の初恋と彼女の成長。

オール富山ロケの撮影期間はほぼ11日間しかなかったそうです。
撮影から2年を経ての東京公開。

脚本も演出も演技もそれから画面に映し出される風景もすべて素晴らしく、無駄が一切ない。
主人公をとりまく応援する人、ただただ心配する家族、誰の気持ちも否定できない。初恋の相手とは何事もなく別れて、でも不思議と清々しい余韻。
そして画面いっぱいの立山連峰と朝日の美しさと。

ミニシアターはこういう作品をもっと推してほしいなあ、と思う。

アップリンクでは公開1か月を過ぎて尚、上映中。 ぜひ観てください。

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僕が1度目に観にいった2月26日は上映後に監督と出演者のトークがあった。

佐藤みゆきさんは「真白」な衣装で登場。

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僕は初めて、映画のトークショーで女優さんに「質問」をした。 役作りについて。

この映画にはパンフレットが作られていないのが、ちょっと残念。

いつも持ってるクロッキー帳にサインをしてもらった。 
映画のチラシでもよかったかな、とあとで思ったけど。

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3月半ばくらいになって、映画のサントラCDが発売されました。
こちらは、上映館と通販での販売。

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主題歌「真白の恋」が絶賛リピート再生中!

 貌斬り ~戯曲「スタニラフスキー探偵団」より~

 貌斬り ~戯曲「スタニラフスキー探偵団」より~

監督・脚本:細野辰興  出演:草野康太 山田キヌヲ 佐藤みゆき 木下ほうか 他

2017年1月8日 新百合ヶ丘 川崎アートセンター アルテリオ映像館にて

  http://kaokiri.makotoyacoltd.jp

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「長谷川一夫(芸名・林長二郎)顔斬り事件」 とは・・・

美男で評判だった林長二郎がスタジオから帰るところを二枚重ねのカミソリで頬を斬られ、日本中が騒然となった1937年の事件。 日本映画史上最強のスキャンダル。

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映画 貌斬り~戯曲「スタニラフスキー探偵団」より~
この映画のストーリーを説明するのは少々やっかいだ。
まず出演俳優達が演じているのは、劇団員。舞台俳優、演出家、スタッフ。
大入り満員の千秋楽。演目の「スタニラフスキー探偵団」は前述の「長谷川一夫 顔斬り事件」をモチーフにした映画化の脚本会議、、、 

「実際の事件をもとに映画を作ろうとしている人達の喧々諤々の会議」を満員の観客の劇場で演じて、その外側に映画「貌斬り」がある。 この時点でちょっとややこしいぞ。

開演間近の楽屋は混乱。出演俳優の一人が逃走し、主演女優が降板したいといいだした。 「演じることが怖い」。この台詞は作品のキーワードだ。

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映画「貌斬り」の中の劇中劇「ストニラフスキー探偵団」のなかで事件の当事者たちになりきって演じてみることで、リアルな仮説を導き出そうとする。これが劇中で何度も繰り返される「ロールプレイ」で、映画のなかに舞台劇があって、その中でまた別の人物を演じる。
演技が2重、3重になっていき、その境界がわからなくなっていく。

、、書いててちょっとわかんなくなりそうですが、ちょっと整理すると映画「貌斬り」の主演、草野康太は「俳優・尾形蓮司」を演じて尾形は「映画監督・風間重兵衛」を演じて風間は「俳優・長谷川一夫」を演じる。 山田キヌヲは「女優・南千草」を演じて南は「元女優のプロデューサー・蓋河久子」を演じる。

本番で使うのはシリコン製のカミソリのはずなのに、本物のカミソリにすり替えられている。

舞台劇を間近で観ているような臨場感。 同時進行の舞台裏の混乱と緊迫感。

この映画は2時間20分のストーリーを2時間20分で見せる「リアルタイム」の映画だ。
映画の中で時間が飛んで、「あれから何日、何年」と進んだり、過去に戻ったりしない。

上映時間と映画の中の時間が同じ「リアルタイム」の映画というと、ほかに「THE有頂天ホテル」とか「ゼログラビティ」とか「12人の怒れる男」とか「キサラギ」とかがあります。

この映画のなかと同じ量の時間を観ているというリアル感。

圧倒的で空前絶後の台詞でラストまでぐいぐい押しまくりながら、「演じる」ということの魅惑や狂気までも浮き彫りにしていく。

逃走した俳優の代役を務めた演出助手の青年に、山田キヌヲが演じる南千草が言う
「どうする? あなたもこっち側に来る?」

このように言葉で説明するのは難しいのだが、この映画は2時間20分、まったく飽きることなく、ぐいぐい押しまくる感じが面白かった。

興行成績的にはどうかわからないけど、面白かった。
もしDVDになったら、またじっくりみたい、と思う。

 不思議惑星キン・ザ・ザ

映画 「不思議惑星 キン・ザ・ザ」  

 1986年 旧ソ連 カラー・スタンダード・135分 監督:ゲオルギー・ダネシャ

2017年1月29日 渋谷UPLINK [見逃した映画特集2016] にて

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ソ連の映画っていうと「タルコフスキー」とかさあ、なんか深刻系な映画の印象が強いんだけど、「不思議惑星キン・ザ・ザ」。 こんな脱力系のSF映画があったことはこの作品を観るまで知りませんでした。 何なんですか、これ。 ほかに類似作が見当たらないです。

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モスクワ、冬。建築技師マシコフは帰宅するなり妻に頼まれ夕飯の買い物に街にでる。そこにバイオリンを抱えた青年ゲテバンに「あの人が自分のことを異星人だと言っています」と声をかけられる。 どうみても浮浪者にしか見えないその男は「自分は他の惑星から来た者で、自分の星に帰りたい。この星のクロスナンバーか座標を教えてほしい」と2人に話す。 そんな戯言を信じないマシコフは男が持っていた「空間移動装置」のボタンを押してしまう。次の瞬間、マシコフと青年ゲテバンは砂漠のど真ん中にワープしてしまう、、、

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2人が飛ばされてきてしまったのは、キン・ザ・ザ星雲のプリュク星だった。
奇妙な音を立てながら現れる釣鐘型の飛行物体。 出てきたのは小汚い男2人。
ちいさなショボい檻を出して妙な踊りを披露する。英語もロシア語もフランス語も通じず、何を訊ねても「クー」としか発しない。

マッチがこの星では異常に価値がある。1本の半分で宇宙船の加速機が買える。
これがあればどこにでも5秒で行けるそうだ。ポケットにあるマッチ2箱でなんとか地球に帰ることができないだろうか?、、、

、、、、、、というちょっと類似品のない、クーなストーリーなんですよ。 クー。

僕が観たときは1月29日。 アップリンクの「見逃した映画特集2016」だったのですが、昨年11月の公開時、一部の上映会場ではチケット購入時に受付で「クー」をやると、割引があったそうです。 クー割。

パンフレットの類は販売してなかったので、あとでAmazonで探して買いました。

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映画館での上映は終了してしまいましたが、リマスタリング版のDVDが販売されて、ちょっと品揃えのいいTSUTAYAあたりでは、何枚か置いてあります。
西友町田店には6枚くらいありました。

すべての科学的説明を無視したかのようなこの、脱力ゆるゆるSF映画。
80年代後半ペレストロイカから、ソ連崩壊の時代背景も思いつつ、ぜひご覧いただきたいぞ。 クー。

2017年3月12日 (日)

 エヴォリューション

映画 「 エヴォリューション 」 

監督&脚本 ルシール・アザリロヴィック / フランス、スペイン、ベルギー/2015年

                                 www.uplink.co.jp/evolution/

 2016年12月10日 渋谷UPLINK(アップリンク)にて

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「少年と女性しかいない、人里離れた島に母親と暮らす10歳のニコラ。その島ではすべての少年が奇妙な医療行為の対象となっている。『なにかがおかしい』と異変に気付き始めたニコラは、夜半の出かける母親の後をつける。そこで母親がほかの女性たちと海辺でする『ある行為』を目撃し、秘密を探ろうとしたのが悪夢の始まりだった、、、、」

画家の諏訪敦氏がツイッタ―で紹介していたので観にいったのだけれど、よくわかんない映画でした。映画観てスッキリしたい、スカッとしたい人にはオススメできないなあ。

物語にクライマックスがない
正確な時代設定なく、国籍もわからないその島に少年と女性しかいないというシチュエーションがすでに不気味で、「誰がなんのために?」というのが結局わからず、映画がおわってももやもや感が残る。

「エヴォリューション(進化)」、、、というより倫理や道徳を超えた気味の悪さ。
この作品のコメントに一番多くでてくる単語が「悪夢」だ。

ただただ、すべてのシーンが絵画のように美しく、DVDになったらもいちどじっくり観てみたいとは思っているんだけど。

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「エヴォリューション」は質のいい紙と印刷のフライヤーが何種類も作られていてどれも飾りたいほど絵画のように美しく、残りわずかのようだったのを1枚づつもらってきました。

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2017年3月11日 (土)

 「男と女」 と 「ランデブー」

映画 「 男と女 製作50周年記念 デジタルリマスター版 」

      & 同時上映  「 ランデブー デジタルリマスター版 」

2016年12月11日 川崎アートセンターアルテリオ映像館にて

       www.otokotoonna2016.com

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「男と女」というフランス映画を観たことがない人でも、あの主題歌の ♪ダ~バ~ダ、ダバダバダ~、ダバダバダ~♪ のメロディはなんでか耳に残ってるという人は多いのではないだろうか。 僕もそうでした。

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ストーリーは同じ寄宿舎に娘と息子を預けている、それぞれ妻と夫を亡くした男女が知りあい惹かれあうという、ま、どうということないものなのだが、、この作品は主演女優の美しさと、流麗なカメラワーク、モノクロとカラーの大胆な構成、それからやっぱり音楽。

これであの甘美な♪ダ~バ~ダ、ダバダバダ♪のメロディー、イコール「大人の恋愛」というイメージで定着した感じだ。。 あ~俺も♪ダバダ♪してえー、、、って何を言ってるんだ。

余談ながらTBSラジオの「安住紳一郎の日曜天国」のコーナー「ゲストでダバダ」もこの曲からだ、たぶん。

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この「男と女 デジタル・リマスター版」ではクロード・ルルーシュ監督がその10年後の1976年に撮った短編「ランデブー」が日本初公開で同時上映された。

1台のクルマが夜明けのパリのど真ん中(凱旋門→コンコルド広場→オペラ座→モンマルトル墓地→サクレ・クール寺院)をアクセル全開でひたすら走り抜ける車内目線のワンカット映像、その間8分48秒!

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この「ランデブー」の映像の迫力がとにかく凄い!
路面やハンドルの振動までも伝わってくるような迫力に、思わず足が突っ張ってしまう。

「男と女 デジタル・リマスター版」のDVDを特典映像「ランデブー」で発売してほしい。

、、、とここまで書いたところでAmazonでちょっとしらべたら、5月2日にそのとおりの仕様でブルーレイ&DVDが発売予定らしい。

スクリーンで観た時の迫力は味わえないにしても、「ランデブー」の8分48秒のために、
俺買っちゃおうかなあ。

灼熱

映画 「灼熱」  2015年 クロアチア、スロベニア、セルビア

2016年12月24日 川崎アートセンター アルテリオ映像館にて

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「クロアチア紛争」・・・1991年~1995年、旧ユーゴスラビアからの分離独立とクロアチア人とセルビア人の民族対立巡って起きた紛争。

このクロアチア紛争をはさんで1991年、2001年、2011年の3つの時代の男女をいずれも同じ俳優たちが演じる。

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「時代を超えて紡がれる、ひとつの愛の物語」とチラシにはあるけれど、映画を観たかぎり、それとはちょっと違う。

10年ごと、それぞれ40分ほどの違う民族どうしの男女のエピソードは、同じ俳優が演じているというだけで、特に関連がない。

それで、話を重ねるごとにつまらなくなります。

、、、う~ん、「過去のしがらみに打ち勝とうとする、、、」というテーマが、ちょっとぼやけてわかりにくいんだな。 あと、「アドリア海の真珠」と称えられるというクロアチアの美しさもあまり画面から感じられなかった。

正直、「カンヌが絶賛!」というほどの感動は僕にはありませんでした。

                           ・

同じように、「旧ユーゴスラビアの民族紛争に引き裂かれる男女」を描いた映画に20年くらい前の作品だけど「ビフォア・ザ・レイン」という映画がある。
こちらはマケドニアが舞台。 この作品の3つのパートに分かれているのだが、ひとつのエピソードが微妙に次のストーリーに関わっていて、さらに3話目のおわり、映画のラストシーンが第1話のファーストシーンに繋がるという驚きの展開だった。
これは当地の問題に疎い自分にも面白かった。

しかし、この「ビフォア・ザ・レイン」もなかなかDVD化されずに、レンタル落ちのVHSテープを入手した翌年にDVDが出たりして(おいおい、、)
最近やっと品揃えのいい店舗のTSUTAYAにも並ぶようになりました。

2017年1月15日 (日)

年賀状

2017年。 今年の年賀状を先日やっと投函した、、、ていうかもう「寒中見舞い」なのだが。

ええ、毎年毎年こんな遅れてすみません。すみません。 
 と言ってみるものの、あまり気にもしていないのですが、、、

僕の場合、切手をわざわざ¥52+3の「お年玉くじ付き切手」を使ったりしているのだが、
その抽選日の1月15日までに出せばいいや、などという手前勝手な「俺ルール」があったりする。 「なんだよ、それ」と言われそうですが。。

でも、僕の年賀状でこの「くじ付き切手」の存在を知った人もけっこう多いらしいのですよ。
ハガキより発行枚数がずっと少ないので郵便局によっては11月中に売り切れてしまったりしますが。

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先に届いた友達からの年賀状に「今年はどんな酉の版画になるのか楽しみです」なんて書いてあると、なんか手抜きしちゃ不義理になるみたいなんですが。

、、、できました!

宛名面には「闘鶏」(一度見てみたいものです)の小品(の一部)を。

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こちらが裏面。 なぜか「月と鶏」。

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この版画の前に昨年の秋の「月の展覧会」用にに「オオカミ」の版画を刷ったんだけど、その作品で2版使ったうちの1枚目の版を「ニワトリ」の版画にもそのまま使った。

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    1枚目を刷ったところ。

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ここですぐに2版目を刷らないで、一度パネルに水張りして数日間乾燥させる。
で、裏面からハケで水分を与えて、まる1日おいてから2枚目の版をする。

なんでそんな面倒くさいことをするのかというと、続けてすると細かい線が滲んだようになってちょっと弱いからです。

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「ニワトリ」だとやっぱり「月」じゃなくて「朝日」かなあ、とも思ったが、まあそのへんはどうでもよろしい。

                          ・

ところでこういった銅版画の技法、また材料的なことは、この本に多くを教わった。

  「銅版画のテクニック」 深澤幸雄 著

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銅版画家の深澤幸雄さんが、その長い制作活動のなかで習得し、また自ら編み出した技法や、材料、道具についての知識を惜しげもなく記した本。

僕は版画を学校などで教わったことがないので、この本はある意味バイブルでもある。

ニワトリの版画を描画している最中の今月5日、その深澤幸雄さんの死亡記事が朝刊に載っていた。 

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92歳。 老衰。 大変な時代を生き抜いて制作を続けてこられて、大往生だと思う。

僕はただの一度も面識がなかったけれども、、心よりご冥福をお祈りいたします。

2016年12月26日 (月)

ジャニス: リトル・ガール・ブルー

映画 JANIS:LITTLE GIRL BLUE /  ジャニス:リトル・ガール・ブルー

  2015年 アメリカ映画  監督:エイミー・バーグ

2016年12月24日 川崎アートセンター アルテリオ映像館にて

20年くらい前のことだが、とある土曜日に仕事で運転中のラジオから、ジャニス・ジョプリンの歌が流れた。曲は「Me And Bobby McGee /ミー・アンド・ボビー・マギー」。 
そのラジオ番組はシンガー・ソング・ライターの鈴木祥子の特別番組で2時間半ほどの番組のなかで、自身の曲や敬愛するミュージシャンの曲をかけながら、その中でジャニス・ジョプリンを紹介する。
鈴木祥子さんがジャニスの27歳という短い生涯と音楽活動について語ったあと「ミー・アンド・ボギー・マギー」が流れる。ともあれそれが僕がジャニスの声を聴いた最初だったと思う。

そのしゃがれたような声は衝撃的でさえあった。英語の歌だからもちろん歌詞の内容はわからないけれど、「ミー・アンド・ボビー・マギー」というタイトルと曲調、ジャニスの歌いっぷりから僕が最初に想像した内容はこんな感じだった。

「私とボビー・マギーはかつて一緒に過ごしていたけれども、いまは離れ離れでそれぞれの道を歩いている。 けれども、あの日々はけっして無駄ではなく、いまでも私たちのなかで輝いている・・」 
みたいなことを歌ってるんじゃないかな、と思って聴いて、その後ジャニスのCDを買って訳詞を確認したら、だいたいそんな内容だった。 「歌」って言語がわからなくても、やっぱりその思い、とか心が伝わるもんなんですね。

それからしばらく経って、大船の「鎌倉芸術館」で友部正人の「30周年記念コンサート・あれからどのくらい」があった。途中休憩をはさみながらの3部構成、約4時間の長いライブ。
2部と3部の休憩の間、ロビーでコーヒーを飲んでいると、すぐ近くから聞き覚えのある声が。
ふと横を向いたらすぐ隣に鈴木祥子さんがいた。 話かけなかったけど。

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、、、というわけで、長い前フリでしたが、昨日24日に映画「ジャニス:リトル・ガール・ブルー」観てきました。

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この映画なプロのシンガーとしての実働約4年(!?)のジャニス・ジョプリンのドキュメンタリー映画です。   

                             http://janis-movie.com/

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生前の本人のライブ、レコーディング、インタヴュー映像と、当時の彼女を知る人々の証言、それから初公開された、家族に宛てた手紙の数々で構成されている。

その手紙を朗読するキャット・パワー(シンガーらしいがよく知らない)がいい。ジャニス本人が朗読しているのかと思っちゃったよ。

「リトル・ガール・ブルー」。 ジャニスの歌った曲名だけれど訳すと「少女の憂鬱」か。
映画本編のなかのある人の証言に「ホテルに彼女を訪ねていったら、途方にくれた少女の顔だった、、、」という印象的な言葉があったので、ここからタイトルにしたのかもしれないです。

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初めて観るジャニスのライブやレコーディングの映像の圧倒的な声の力。

それらはとても魅力的でそれだけでも観る価値はあるけれども、この映画の中では、容姿にコンプレックスを抱えた暗い少女時代から綴られている。

誰からも相手にされなかったハイスクールと、シンガーになってからも孤独を酒とクスリで紛らわせて、結局それがもとで突然27歳の若さで逝ってしまうんだけれど。

きっとこの人はだらしのないとこも、いっぱいあったんどろけれども、たった実働4年ほどの音楽活動で「音楽史上最高の女性スター」、「女性ロックのアイコン」になった。

50年、60年生きても人の心になにも残せない人がほとんどだというのに、いなくなってもパワフルな歌声で元気づけてくれる彼女はやっぱり素敵だと思うのです。

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映画本編が終わって、エンドロールといっしょに、有名人のジャニスへのコメント映像が流れた。

、、、ジュリエット・ルイス! なんか久しぶりに見た気がする。彼女の出演作では「ギルバート・グレイプ」が一番好きです。

それからジョン・レノンとオノ・ヨーコ。 ジョンが凶弾に倒れたより、ジャニスの死のほうが早かったというのが、いまさらながら意外に思ったり。

ジョン・レノン「僕の誕生日プレゼントにと、ジャニスが歌を録音したテープを送ってくれたんだ。それが届いたのは彼女が死んだ後だった。」

 

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