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2014年7月21日 (月)

 エレ二の帰郷

映画 「エレニの帰郷」 2008年 ギリシャ・ドイツ・ロシア・カナダ

監督・テオ・アンゲロプロス

出演・ウィレム・デフォー 、ブルーノ・ガンツ 、ミシェル・ピコリ 、イレーヌ・ジャコブ

                       www.eleni.jp

2014072101

ここ何年も、いや何十年も、「1番」という番号は川崎アートセンター「アルテリオ映像館」の整理番号でしか取ったことがない。

「エレニの帰郷」。 現代最高の映像作家、テオ・アンゲロプロスの遺作だ。

昼間にチケットを買って、午後7時すぎの豪雨の中、アルテリオまで観にいきました。

この監督の作品は、1995年お「ユリシーズの瞳」、1998年の「永遠と一日」は日比谷シャンテで観ました。

全部の作品を観たわけではないけど、アンゲロプロス作品の特徴としては、、

 ・ヨーロッパの大きな時代のうねりのなかで翻弄される人物を描く壮大な叙事詩。

 ・画面いっぱいに絵画のように構成、構築された、圧倒的な映像美。

 ・ワンシーン・ワンカットが異常に長い。ときには10分以上にカットも。

 ・時間と場所が自在に交錯する。

これらの特徴は「エレニの帰郷」には全部入ってます。

で、結論からいうとすごくわかりにくい。。 
ストーリーも複雑だし、クライマックスと呼べるものがない。

映画の冒頭から1999年の映画のなかの「現在」のローマと、1953年の東ベルリンをワンシーンごとに分刻みでいったりきたりするのだ。
さらに、1990年~2000年のローマ、ベルリンと1953年のカザフスタン、56年のシベリア、73年のオーストリアとハンガリーの国境、74年のニューヨーク、トロント、、と時間と場所が行きつ戻りつして、この旅の目的と人間関係はどうとらえていいものやら。

しかも映画監督Aの子供のころに生き別れになった母とその孫娘の2人とも名前が「エレニ」なのでややこしいぞ。

ともあれ、ギリシャ難民としてヨーロッパとアメリカを流転した「エレニ」の半生と最期を、エレニの「手紙」のナレーションとその息子の映画監督の目線で辿っていきます。

そして「エレニの帰郷」は20世紀全体を三部構成で描く、「トリロジア」の第二作。
第三作の「もうひとつの海」を撮影中にテオ・アンゲロプロスは交通事故で亡くなりました。

「エレニ」役のフランスの女優イレーヌ・ジャコブが本当に美しい。

若いころの主演作品「ふたりのベロニカ」と「トリコロール/赤の愛」もいいので気になる方は探してみてください。

僕的にはアンゲロプロスの最高傑作は「ユリシーズの瞳」です。 
約三時間(!)とやたら長いけど、ほんとうに圧倒的な映像と音楽だと思う。
 

 

 

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