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2015年5月31日 (日)

 マグリット 展

 マグリット 展   国立新美術館   2015 3.25~6.29

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六本木の「国立新美術館」は、たしかあの都知事選にも立候補した建築家、黒田紀章の設計だったか。 曲線を生かしたガラス張りの壁面と広いエントランスが印象的な建物だ。

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美術館は、建築それ自体が「美術作品」でなければならない。
同時にいい美術館は、いい作品を所蔵していなければならないとも思っているので、
収蔵作品を持たない「新美術館」は、「美術館」でなくて「イベント会場」「企画展示会場」だよなあ、と思う。 もったいない、とここに来るたびに思う。

先日、「マグリット」を観てきた。 、、、その前に。

さだまさしの1989年の作品に「マグリットの石」という歌がある。
とくに有名な曲ではなく、当時のアルバムの中の一曲という位置づけなので
知らない人は全然知らなくても、おかしくないのですが。
彼のかく歌には珍しく、あまりにも直截的な「マグリットの石」の歌詞とちょっとロックよりのアレンジがいい、名曲だと思う。

 ♪ マグリットの石は俺達の 時代を見すかして笑ってる ♪

この「マグリットの石」は1959年の代表作「ピレネの城」のことだ。 
さださん本人がこの歌のライナーノート(作品解説)に書いている。

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この絵が「現代人の包括している不安、危機感」を表して、マグリットが描いたのか本当のとこはわからない。 そういう社会学的な解説はあとから評論家が意味づけてくれるもので
画家本人は「ただたんに面白いと思って、自分の技術を駆使して描いてみたら、けっこういい絵ができちゃいました」てな場合がほとんどじゃないだろうか。 知らんけど。

この作品以降、「宙に浮かぶ岩や建築物」は「マグリット的」というイメージがずっとついてまわることになる。 たとえば鴨居玲という画家も「空中に浮かぶ教会」の絵を何枚も描いていて、あとジブリ映画の最高傑作「ラピュタ」にもそのイメージの連鎖が。
それは、画家や映像作家が影響を受けたとかいうことでなくとも、観る僕のなかではみな
「マグリットの石」のイメージなのだ。

                          ・

、、、で、この「ピレネの城」。 今展覧会の図録に作品No.107で載っていて、ミュージアムショップでポストカードも販売されているのに、会場入り口の作品目録には記載がなく(No.107がない)作品も展示されていなかった。 残念である。
たぶん、展覧会の企画当初は展示される予定だった。それで、図録にも載せた。
だが、そのあとになって何らかの理由で、所蔵先のイスラエルの美術館から作品を借りることができなくなってしまった、キャンセルされた、とかなのだろう。

ま、「ピレネの城」がなくても、今回13年ぶりのマグリットの回顧展は充実したものだった。

絵画作品だけで130点、その他に書籍、ポスター、写真などの資料が55点という分量だ。

その中でも、絵画作品の完成度の高いものとなると、やっぱり戦後の後期の作品になる。

私見ですが展示作品の中から勝手に「トップ5」を選びました。(5作品に順位はない)

 No.130 「 白紙委任状 」 1966年 

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      ちょっと、エッシャーのだまし絵のようだ。   

      同タイトルの作品が2点並んでるうち、小さいほう。
      こちらのほうが、完成度が高くみえる。

No.79  「光の帝国Ⅱ」  1950年

    青空に白い雲。下半分は夜の街並み。

No.114  「ガラスの鍵」 1959年

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No.93  「ゴルゴンダ」 1953年

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         宙に浮かぶ無数の紳士。 よくみると全員違う人物。

No.56   「絶対の探求」  1940年

        きっちり葉っぱの形に枝のシルエットが描かれた、1本の樹木。
        解説などなくてもこのタイトルと作品で作家が描きたかったものがなんとなく
        わかる気がする。

                         ・

会場出口の今展覧会のミュージアム・ショップで。
スタッフの方全員が被っている帽子は、マグリットの絵に度々登場する紳士の黒い山高帽だった。
僕は一応訊いてみた、「その素敵帽子はこちらで販売してないのでしょうか?」
、、、残念ながら、商品ではなく販売スタッフのユニフォームだそうで、、でもあれいいなあ。

ほかに「マグリットのマグネット」とか「マグリットのマグカップ」とかもあったんですけど、
結局、ポストカード4点買いました。
もとから無いのか、売り切れか、「絶対の探求」のは無かった。

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