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2015年12月18日 (金)

ヴィヴィアン・マイヤーを探して

 「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」  2013年アメリカ映画 83分

監督:ジョン・マルーフ、チャーリー・シスケル

   www.vivianmaier-movie.com

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僕が少なくても月に2度は映画を観にいく、新百合ヶ丘の「川崎アートセンター・アルテリオ映像館」ではただ今「写真家映画特集 スタンプラリー」というのをやってまして、4本の映画を観て専用のカードにスタンプを押してもらうと、招待券1枚プレゼントというものだ。

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このスタンプカードを持っている人がどのくらいいるのかしらないけど。

1本目が先日紹介した、ブラジル出身の超有名報道写真家のドキュメンタリー「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」。

2本目が先日観た「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」。

  (、、3本目、4本目は年明けて、1月公開の予定。)

世界中で活躍して、その筋の人ならたぶん知らない人はいないであろう「サルガド」と、
ほんの数年前までまったく無名だった(というより作品を1枚も発表しなかった)「ヴィヴィアン・マイヤー」。 この差は何なのか。 わからない。

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                         ・

2007年、シカゴ在住の青年がオークションで大量の古い写真のネガを手に入れた。その一部をブログにアップしたところ、熱狂的な賛辞が寄せられた。この奇跡をメディアが絶賛。撮影者の名はヴィヴィアン・マイヤー。青年がネットで検索してやっと1件ヒットしたそれは、ほんの数日前の死亡記事だった、、、

                         ・

「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」、このドキュメンタリー映画の監督は、この大発見の張本人の青年、ジョン・マルーフ。 監督自らが出演して語るというのは、マイケル・ムーアみたいだな、と思ったらパンフレットでもそれについて書かれてた。

映画はタイトルの通りに「謎の人物、ヴィヴィアン・マイヤー」について、生前の彼女を知る人々を訪ねてインタビューを重ねていく。
職業は「乳母(ナニー)」。 住み込みで裕福な家庭を転々としていたらしい。

「時代おくれの服を着ていた」 
「いつもカメラを持っていた
「なにを撮っていたのかは知らない。一度も写真をみたことがなかったから」
「変人だった」

何人もの人を訪ねて話を聞いても、結局何もわからない。

なぜ、身寄りのいない天涯孤独の乳母をしていた女性がこれほど優れた写真を撮れたのか。経歴から写真の専門学校や写真家のアシスタントなどをして学んだというわけではないらしく、おそらく独学だ。そういう方面の人とも交流があったわけでもない。それにしてもスクリーンに映し出される写真の1枚、1枚がすばらしい。表情も、構図も。 彼女が撮ったストリート・スナップは、たぶん写真作品に普段興味がない人が観てもそう思うはずだ。

なぜ、15万枚以上の作品を残しながら、生前作品を公表しなかったのか。
周囲の人にも1枚見せなかったらしい。
写真に限らず、何かモノをつくっている人なら、有名になりたいかどうかは別にしても、
いいものが出来たら多くの人に見てほしい、できればそれをお金にかえたい、人の心を動かしたい、自分がいなくなっても作品を残したい、とか思うのはふつうなのに。(結果的にはそうなっているけど)。 でも、彼女が生前から作品を発表していたら、20世紀の写真史は変わり、貧困のうちに亡くなることもなかったかもしれない。

あれほど何枚も自身のポートレイトを撮っていながら、自身を語る言葉は何も残していない。、、、ように思われる。膨大な資料の中から今後何かが見つかるか。

もういちど、、とにかくヴィヴィアン・マイヤー、この人の撮った写真はすばらしい。

映画では取材シーンを少し減らしてでも、写真を多く映して欲しかった。 そこだけやや不満を覚えるが。

「発見された、天才写真家」、ヴィヴィアン・マイヤー。 
いまの「熱狂」は彼女は望んでいたことではなかったかもしれない。

それでも、これほど心動かされる作品はやはり「発見」されるべきだったのだ。

映画を観て以来、ヴィヴィアンの生涯と残した写真作品が頭から離れず、そしてやっぱりわからない。。

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