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2017年3月20日 (月)

 貌斬り ~戯曲「スタニラフスキー探偵団」より~

 貌斬り ~戯曲「スタニラフスキー探偵団」より~

監督・脚本:細野辰興  出演:草野康太 山田キヌヲ 佐藤みゆき 木下ほうか 他

2017年1月8日 新百合ヶ丘 川崎アートセンター アルテリオ映像館にて

  http://kaokiri.makotoyacoltd.jp

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「長谷川一夫(芸名・林長二郎)顔斬り事件」 とは・・・

美男で評判だった林長二郎がスタジオから帰るところを二枚重ねのカミソリで頬を斬られ、日本中が騒然となった1937年の事件。 日本映画史上最強のスキャンダル。

                           ・

映画 貌斬り~戯曲「スタニラフスキー探偵団」より~
この映画のストーリーを説明するのは少々やっかいだ。
まず出演俳優達が演じているのは、劇団員。舞台俳優、演出家、スタッフ。
大入り満員の千秋楽。演目の「スタニラフスキー探偵団」は前述の「長谷川一夫 顔斬り事件」をモチーフにした映画化の脚本会議、、、 

「実際の事件をもとに映画を作ろうとしている人達の喧々諤々の会議」を満員の観客の劇場で演じて、その外側に映画「貌斬り」がある。 この時点でちょっとややこしいぞ。

開演間近の楽屋は混乱。出演俳優の一人が逃走し、主演女優が降板したいといいだした。 「演じることが怖い」。この台詞は作品のキーワードだ。

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映画「貌斬り」の中の劇中劇「ストニラフスキー探偵団」のなかで事件の当事者たちになりきって演じてみることで、リアルな仮説を導き出そうとする。これが劇中で何度も繰り返される「ロールプレイ」で、映画のなかに舞台劇があって、その中でまた別の人物を演じる。
演技が2重、3重になっていき、その境界がわからなくなっていく。

、、書いててちょっとわかんなくなりそうですが、ちょっと整理すると映画「貌斬り」の主演、草野康太は「俳優・尾形蓮司」を演じて尾形は「映画監督・風間重兵衛」を演じて風間は「俳優・長谷川一夫」を演じる。 山田キヌヲは「女優・南千草」を演じて南は「元女優のプロデューサー・蓋河久子」を演じる。

本番で使うのはシリコン製のカミソリのはずなのに、本物のカミソリにすり替えられている。

舞台劇を間近で観ているような臨場感。 同時進行の舞台裏の混乱と緊迫感。

この映画は2時間20分のストーリーを2時間20分で見せる「リアルタイム」の映画だ。
映画の中で時間が飛んで、「あれから何日、何年」と進んだり、過去に戻ったりしない。

上映時間と映画の中の時間が同じ「リアルタイム」の映画というと、ほかに「THE有頂天ホテル」とか「ゼログラビティ」とか「12人の怒れる男」とか「キサラギ」とかがあります。

この映画のなかと同じ量の時間を観ているというリアル感。

圧倒的で空前絶後の台詞でラストまでぐいぐい押しまくりながら、「演じる」ということの魅惑や狂気までも浮き彫りにしていく。

逃走した俳優の代役を務めた演出助手の青年に、山田キヌヲが演じる南千草が言う
「どうする? あなたもこっち側に来る?」

このように言葉で説明するのは難しいのだが、この映画は2時間20分、まったく飽きることなく、ぐいぐい押しまくる感じが面白かった。

興行成績的にはどうかわからないけど、面白かった。
もしDVDになったら、またじっくりみたい、と思う。

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