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2017年4月 9日 (日)

 エゴン・シーレ 死と乙女 

映画 「 エゴン・シーレ 死と乙女 」  2016年/オーストリア・ルクセンブルク作品

2017年3月25日 新百合ヶ丘 川崎アートセンター アルテリオ映像館にて

                     www.egonschiele-movie.com

画家エゴン・シーレは20数年来、もっとも好きな作家のひとりであるけれども、日本では1991年に渋谷Bunkamuraで「エゴン・シーレ展」以来まとまった数の作品を観る機会は未だない。この時の展覧会は美術館所蔵の作品でなく、すべてウィーンのレオポルドさんという世界的なシーレコレクターの所有する作品だったのだけれど、何点かの油彩の代表作と、あとは水彩や鉛筆、チョークのドローイングが多かったけど、120点(!)の圧巻の展示だった。
ご覧になった人いるかな?

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これは、昨年ヴィレッジ・ヴァンガードで見つけて買ったシーレのドローイング・水彩作品集。
ちょっと値が張ったけど、400点以上の作品が年代順にオールカラーで収録されていて、年ごとに日本語の解説もあって内容充実な一冊。 
、、でももうちょっと高くてもいいから、サイズが大きかったらもっとよかったかな。

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人差し指と中指、薬指と小指をくっつけて、そのあいだを大きく広げる。 なんでこんな不自然な手のポーズにしたのかいまだによくわかんないけど。

                            ・

1890年に生まれ(ゴッホの没年)、15歳のときに父親が梅毒で精神を病んだ末に死去。
16歳でウィーン美術アカデミーに入学。アドルフ・ヒトラーは翌年、同アカデミーを不合格。
3年で退学。仲間と新芸術家集団を結成。 グスタフ・クリムトに才能を認めらる。
1912年、少女誘拐の嫌疑で逮捕、24日間の拘留。
1918年、3月に「ウィーン分離派展」で大成功を収めるも、その年の10月にスペイン風邪で死去。 妊娠6か月の妻も同じ病で死去。 

ざっくり書くとこのように濃く、激しい28年の生涯。
事実だけで充分映画向きなんである。

ちなみに「スペイン風邪」は1918年~1919年に世界的に大流行した、人類史上初のインフルエンザらしいです。 アメリカが発生源なのに「スペイン風邪」なのは情報源がスペインだとか、この病の流行で、第一次大戦の終結が早まったとか。

                            ・

エゴン・シーレを描いた映画はこれまでに何本か作られたらしい、観る機会がなかったが。
実現しなかったが、デヴィッド・ボウイがシーレを演じる企画もあった。

で、映画「エゴン・シーレ 死と乙女」。2016年、シーレ映画の最新作。

1月に渋谷のBunkamura ル・シネマで公開されたけど3月から新百合で上映されるのがわかってたので、2か月待ってました。

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映画冒頭で1918年の瀕死のシーレ。妹のゲルティが見舞いにくるが、シーレの妻はすでに亡くなっている。 そこから1910年、8年遡って回想の形でシーレと妹のゲルティ、モデルで愛人のヴァリー、妻になったエディットの人生を1918年まで描いていく。

事前にシーレの生涯と作品を知っていたというのもあるかもしれないが、ほぼ事実どおりのストーリーがすごく面白かった。

なにしろ、身勝手なシーレに振り回されても、どこまでも献身的にモデルだけでなく、マネージャー的に画商への作品の売り込みまでして、つくしていながらシーレに裏切られるヴァリーが可哀そうすぎるわ。
タイトルにもなっている「死と乙女」のモデルはヴァリー。 
映画では彼女の訃報を受け取ったシーレは絵のタイトルを「男と乙女」から「死と乙女」に書き換える。

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このヴァリーを演じた女優。 
誰かに似てるなー、と思っていたんだけど、、わかった!
Superfly の越智志帆さんでした。

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映画を観て初めて知ったこと。 シーレの妹のゲルトルーデ(愛称ゲルティ)は1981年まで87年の生涯だった。 
美術家、作家、音楽家、多くの才能を輩出した、いわゆる「ウィーン世紀末」の関係者が、自分と同じ時間を生きていたというのは、不思議な感じだ。

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グスタフ・クリムトの登場シーンもあった。 クリムトというとなんとなくずっと「身体の大きい人」というイメージだったのだけれど、「エゴン・シーレ 死と乙女」に出てくるクリムトはそれまでの、例えば映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」のクリムトとかより、ずっとしょぼい、、小さな男だった。 シーレの才能に嫉妬する師匠なのだろうか。。

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