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2017年8月14日 (月)

 ベルリン・天使の詩




映画 「 ベルリン・天使の詩 」  1987年 ドイツ映画

監督: ヴィム・ヴェンダース  

ベルリン、、白状すると1997年くらいまで、僕はこの都市は東西ドイツの国境線上にあるものだと思ってました。 「ベルリンの壁崩壊」がたしか1989年だから、なんという世間知らずだったのだろう、と思うのだけれど。 実際にはベルリンは当時の東ドイツのど真ん中にある都市で、高い壁にぐるりと囲まれた「西ベルリン」は西ドイツの「飛び地」、、というのもちょっと誤解があり、正確にはアメリカ、イギリス、フランスの占領地。 公式には西ドイツでもなかったのだと。 そんなことを97年にたまたま飛行機で隣に座った日本在住のドイツ人から教わりました。 それまでなんて無知だったんだろう、といまでも思うけれど。。

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ヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン・天使の詩」。2006年のデジタルニューマスター版がブックオフで安く出てたんで購入しちゃいました。

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これは1987年公開映画なので、「ベルリンの壁崩壊」の2年前になる。

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ベルリンの天使は白い衣装の中性的な容姿の若者でも、可愛い幼児でもなく黒いコートを着たおっさんだった。。 ブルーノ・ガンツが演じている。

で、そのベルリンの街を見守る「おっさん天使・ダミエル」はサーカスで空中ブランコを舞う女性マリオンに恋をしてしまう。 マリオンに強く惹かれるダミエルは地上に降り人間になることを決意する。 ダミエルが人間になるまで、西ベルリンに生きる人々をモノクロの映像で映し続ける。 終盤ダミエルが翼を捨て人間になると映像はカラーに変わる。

映画の大部分がモノクロで「思わず息を呑む映像美、詩情溢れるメルヘン、そして哲学的思索が凝縮された」、、、つまり刺激的な映画が好きな人には「退屈」だということです。

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この映画のクライマックスは最終盤の「謎の長台詞」。 人間になったダミエルとマリオンがバーのカウンターで語りあっている。 横顔の画面からマリオンのカメラ目線ドアップの映像になってあの長~い台詞が始まる。

「、、、新月は決断の時。先の運命がわからなくても、決断する時。決断するの。私達、今がその時よ。私達の決断は、この街の、すべての世界の決断なの。 今、私達ふたりはふたり以上の何か、、、 私達は広場にいる。 無数の人々が広場にいる。私達と同じ願いの人々。すべてが私達次第。 私は決心している。 今しか時はないわ。 、、、、」

一部を紹介しましたこの長い台詞。映画を観ている観客に向かって言ってるようなこれは何なのか、ずっとわかんなかった。
 
昨年、「町山智浩の映画塾」を視聴して、あっと思った。こんな内容だった、と思う。
「、、、途中から、観客席に向かって語りかけているこの長台詞。 これは明らかに『壁を壊しましょう』と言っているんです。扇動している。この映画をどのくらいの東側の人々が観たのか、それはわかりません。でも実際に2年後にベルリンを分断していた壁は崩壊した、みんなで動いたらあっけなく壊せたんです。」

なんか目から鱗、であります。 
それをわかったうえで観かえすと、ラストシーンの「壁」に向かって歩き出す老人の「乗船完了!」の最後のセリフもより深い意味をもったものに聞こえてきます。

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