2017年9月 1日 (金)

「 ニホンオオカミは消えたか? 」

「 ニホンオオカミは消えたか? 」 宗像充 [著]

オオカミに惹かれる人は多い。
ギラギラした野生、媚びない生き方の象徴だったり、美しい姿や面構えだったり。


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「ニホンオオカミは消えたか?」は100年以上前に絶滅したとされる日本固有種のオオカミの正体を追うノンフィクション。
2017年1月初版発行で、ニホンオオカミ関連の書籍ではもっとも新しい本だ。 
著者の宗像充氏は1975年生まれのジャーナリスト、、あ、年下じゃん。。

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2012年2月にNHKで「見狼記」というドキュメンタリー番組が放送されて、たまたま僕もそれを観た。 各地に伝わるオオカミ信仰や、今もニホンオオカミの存在を信じて探している「オオカミに憑りつかれた人」に取材したりと、面白い内容だった。 
それまでオオカミというと「タイリクオオカミ」だと思っていた僕も、それよりすこし小さいとされる「ニホンオオカミ」に俄然興味をもった。
今にすると「なんであの『見狼記』録画しとかなかったんだろう」と思うけど、いや2012年当時は録画機器もってなかったしなあ。 NHKのオンデマンドのリスト探しても「見狼記」は無かった。

この本「ニホンオオカミは消えたか?」は「見狼記」の内容もふまえて、登場人物にも取材を重さねた渾身のルポタージュ。 面白かった。 
学術的な分類の情報、多くの文献、それに実に多くの人物を訪ねよくぞここまで調査してくださった、と思う。
「ニホンオオカミとないったい何か」を明らかにして、それはほんとうに消えたのか、というまるでミステリー小説を読んでいるような展開と構成。

ニホンオオカミというマイナーな分野ながら、著者やこの本の登場人物たちのエネルギーと狂気にもにた情熱の一冊。

2017年8月14日 (月)

エゴン・シーレ水彩画集

「 エゴン・シーレ ドローイング 水彩画作品集 」

これは2003年に初版が出たものですが、今年になって手に入れました。

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28歳の生涯の天才画家の鉛筆、木炭、水彩などの紙に描かれた作品、そのほぼほぼすべて350点あまりをカラーで収録してある。 すばらしい。

参考図版シーレの油彩画と関連作家のクリムトやオスカー・ココシュカの作品も載ってます。

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この画集は作品が1年ごとの年代順に収録してあり、詳細な作品データや解説もすべて日本語に翻訳してある。 実にわかりやすい。でも作品図版のページの表記は英語だけで、それが洋書の画集みたいで絵が見やすくてよろしい。
ドローイング、水彩に限っていえばシーレ作品集の決定版といえるだろう。

、、、ただ230×170mmのサイズがもうひとまわり大きくてもよかったかな、とは思いますが。。

帯に書いてある「切り裂くような線」から最後期(といっても27,8歳の若さだが)太く丸みを帯びた線まで。 油彩を描くときと同じように荒々しい筆致をしっかり残した水彩の筆さばき。

和書なので品揃えのいい書店や、ヴィレッジ・ヴァンガードの美術書コーナーで時々みかけます。 シーレファンの方は一度手に取ってみるといいと思います。

2016年12月 4日 (日)

「 水野るり子の詩 皿の底の暗がり 」

書籍の紹介です。

「 水野るり子の詩 皿の底の暗がり 」

 著者 エドウィン・A・クランストン Edwin A Cranston

  訳者 グレーテルの会

 発行 株式会社 思潮社

 定価 本体2400円+税

この本はアメリカを代表する日本文学研究者の著者が、詩人の水野るり子さんの作品について書いた英文のエッセイ(2008年に出版)を和訳したものです。

、、、で、何故僕が詩歌関係の本を紹介しているか、といいますと。。

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実は、この本の表紙には僕の銅版画「Dodo」(2014)が使われているのでした。

以前、水野さんが購入してくださった、この小さい版画を詩人本人から「装幀に使いたい」というメールが届いたのが昨年の8月くらい。
「ほんとに僕の絵でいいのかなあ?」と思った(ていうか今でも思ってるが)けどもちろん快諾返信。

結局、当初の予定より1年くらい訳書の出版が遅れたようですが、昨日こうして手元に届いてちょっと感激している。 
「うわっ!、ほんとにドードーが表紙になってる! いいのか?!」 これが第一声である。

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装幀は思潮社が手掛けてくれたそうです。 
あの数多くの詩集や歌集を世に送り出してきた思潮社が。

そして扉には僕の版画の「車輪」が。 これも詩人所蔵の作品。

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素敵な装幀の本に仕上がっていてうれしい。 ありがとうございます。

内容は著者が自ら英訳した水野さんの詩(和訳ではもちろんオリジナルに戻っている)のひとつひとつの深層世界について語っている。 とても読みやすい本です。

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数年前の「ユニコーンの夜に」という詩集で、初めて僕の絵を表紙と扉絵に使ってくれた時、水野さんは本の発行日を11月30日にしてくれた。その日が僕の誕生日だと知っていたからだった。 
そしてこの「皿の底の暗がり」の発行日もまた「2016年11月30日」になっていました。

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とかく詩歌関係の書籍は部数が少なく、大きな書店でもなかなか見つけにくいもの。

ためしにAmazonで「水野るり子」で検索してみたらありました。
「12月14日発売予定 予約受付中」。

興味おありでしたら、ぜひよろしくお願いいたします。 

2016年9月25日 (日)

「 風立ちぬ 」 原作本

こないだ書店で見つけて買いました。

「風立ちぬ 宮崎駿の妄想カムバック」

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3年前の宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」。
その原作コミックがようやく書籍化されてました。

もとは「モデルグラフィックス」というプラモデル雑誌に連載してた漫画。
水彩の色彩も美しいオールカラーだ。

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映画の「風立ちぬ」とは趣がだいぶ違って、宮崎駿の妄想のストーリーと、飛行機やメカマニアっぷりが炸裂のエッセイのようなものがいっしょくたになったような内容です。
面白いです。 登場の男がなぜか皆、「紅の豚」みたいに「豚の鼻」です。

公開時、映画評論家の町山智浩さんがラジオで「宮崎駿の妄想とメカマニアの映画」と解説してたけど、それを裏付ける一冊です。

2016年9月22日 (木)

 「怒り」 小説と映画

* ネタバレ注意! この記事では公開中の映画「怒り」の内容や結末に触れています。
   映画を鑑賞予定の方はご注意ください。

先週、13日に吉田修一の小説「怒り」の上下巻(中公文庫)、合わせて2冊を買った。

9月17日の映画公開直前で通常の装丁の上に、映画仕様のカバーがかぶせてある。
ブックファーストでは、「怒り」1冊購入につき1枚、映画出演者の「栞」をプレゼントという企画でした。 主要キャスト、渡辺謙、森山未来、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮崎あおい、妻夫木聡の7枚から、2冊分で2枚選べると。
「期間限定だったら、上下同時購入で7枚くれたっていいじゃん」と言いそうになったが、そこはのみこんで「では、『宮崎あおい』と『広瀬すず』のをください」。

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5日ほどで一気に読み切った。映画を観る前だが読みながら出演者それぞれが脳内で動きだし、映像が再生される感じだ。 その時点で、このキャスティングはほぼ完璧だと。

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物語 : ある夏の日、八王子で若い夫婦が惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていた。犯人は顔を整形して逃亡を続ける。 そして事件から一年後、千葉と東京、沖縄の離島に素性と過去の知れない3人の男が現れた。

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たぶん原作者の吉田修一はこの小説の発想の元になったのは、千葉で起こった英国人の英語教師の殺害、逃亡のあの「市橋達也事件」じゃないだろうか。 犯人が顔を整形して逃亡していること、それから沖縄の離島に身を潜めていたこと。 そう思って読んでいたら、映画のパンフレットの談話で吉田さん本人がそれを明かしていました。 それで「やっぱ犯人は沖縄の離島かなあ」と上巻読んでるときから思ってたんだけど。

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千葉と東京と沖縄、それから事件を追う2人の刑事。 彼らの物語がだいたい15ページくらいの短い章ごとに交互に進んでいく。 この構成の読みやすさもあって、電車の移動時間のほぼすべてを使って読んだ。ぐいぐい読ませます。面白い。

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3つの土地で展開される物語にはそれぞれ関連もない。犯人は下巻で明らかになるが(予想どおりだった)、最初の「八王子夫婦殺害」の行動の動機がよくわかんないままだ。
いや、そもそも衝撃的は血文字の「怒」の意味がわからん。 、、て、私が人並み外れてバカなだけでしょうか?

この作品の胆(キモ)は実は「犯人捜し」だけではなくて、その3人の男と出逢った、人達の猜疑心。 信と不信。 そして愛する人を信じきれなかった、裏切ってしまった自分自身への「怒り」。 それから信じていた人に裏切られた、殺すほどの「怒り」。。
、、、う~んでも犯人については、「怒」は映像が浮かぶほどのインパクトなだけに消化不良だわ。

                           
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で、映画。 NHKの大河ドラマと朝ドラの主役経験者をずらりと並べたような、贅沢なキャスト。 ギャラの総額どのくらいなんでしょうね。どうでもいいけど。

千葉編の元風俗嬢の「愛子」役の宮崎あおいは、原作の「愛子」が「ぽっちゃり」のせいか役作りで7キロ(!)増量したそうだ、、ってそれでも細いだろ、と。 いや増量とかルックスが原作と違うとかよりも、この役は宮崎あおいしかないわ。見事でした。 原作のこの場面、「女の泣き声は尋常ではなかった。人間がここまで泣けるのかと思えるほど凄まじいものだった」。 千葉編の謎の男、松山ケンイチ演じる「田代」。作品のなかでは「田代」は偽名だが、僕は同姓なのでこいつが犯人でなければいいのに、と思ってたのでほっとした。

愛子「田代くんといっしょに暮らしたいの」、、、妄想するバカな俺を叱ってくれい。

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ひとことで言うと「充分満足ではないが、心に残る映画」。

原作のすべてを再現できるのは無理としても、何人かの人物が省略されていたり、エピソードのいくつかはカットされていて、やや展開に唐突感は否めない。とくに沖縄編。

それでもこの映画を、最近小説の原作ものの映画でやたら多い「前後編の2本観なきゃなんない」ものにしないで、ギュッと1本にしたのは僕的には高評価です。
ランニングタイムの都合とはいえ、2時間20分ほどにまとめたのは、きっとカットしたシーンもたくさんあったんだろうな、と思ったら、最初に完成させたのは「4時間」だったそうだ。
その「4時間ヴァージョン」が観てみたい。 「怒り 完全版」とかDVD化しないですかね。

原作と違って、ひとつのメインテーマのなかで、次々に3つの場面が切り替わるカットはいい。 「怒り」からのそれぞれ。「悲しみ」「希望」「絶望」「失意」からの「慟哭」。

ラストは沖縄の砂浜での、すべてを知った「泉」(広瀬すず)の絶叫で終わる。

実は原作の小説だとその後にエピローグ的な章があるのだけれど、そこをバッサリ切ってしまうのが、なんというか映画的。 
穏やかな最終章までいれるのは、なんとなく2時間ドラマっぱいラストかなー、とか思いました。

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ところで、「日本で一番悪い奴ら」といい、「シン・ゴジラ」といい最近僕が観る邦画にはなんだかみんなピエール瀧が出ているな。 「瀧に呼ばれている状態」だ。

ピエール瀧の草野球チームの名前は「ピエール学園」というそうです。 関係ない。。

2016年9月13日 (火)

虹色のトロツキー

「機動戦士ガンダム」(、、いわゆるファースト・ガンダム)のキャラクターデザインを務めた
安彦良和氏は自身の原作コミックの「アリオン」の劇場版以降、アニメーションから遠ざかり漫画家として活躍していた。

安彦良和の漫画は神話や歴史を題材にしたものが多く、デビュー作の「アリオン」はギリシャ神話の世界、それから「我が名はネロ」、古事記から「ナムジ 大國王」「神武」「蚤の王 野見宿禰」、など。
圧倒的な画力と大河的なストーリー展開の安彦漫画。 
「アリオン」の最初のシーン、幼い主人公が遠景から駆けてきて、徐々にアップになる映像的なコマ割りや、白黒の闇と光のダイナミックな画面などは、アニメーター出身ゆえか。

「虹色のトロツキー」は昭和13年、中国大陸が舞台。 日本の軍人と蒙古人の母との間に生まれた青年「ウムボルト」の目を通して描かれる第二次世界大戦突入直前の大陸を描く全8巻の大作です。

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安彦良和氏はこの作品を描くにあたって、相当取材を重ねたようだ。
昭和10年代を生きた実在の人物が続々登場、実際の事件も描かれているが、主人公にまつわるストーリーはあくまでもフィクション。
「魔都上海」に到着した6巻では、あるパーティーで「李香蘭」と出会う。 この場面だけの登場だけど、表紙イラストにもなっている。いまさらながら「山口淑子」って、波乱万丈の生涯だったんだなあ、と思う。

父母の死の真相を辿りながらも、満州国軍に戻ったウムボルトは、「ノモンハン」に向かう。
昭和14年、満州とモンゴルの国境紛争が、日本とソ連の軍事衝突に発展した「ノモンハン事件」。これをラスト7、8巻に渡って詳細に描いている。 あまり耳馴染みのないかもしれないがこの「ノモンハン」にグッと括目して、見入ってしまう。

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ノモンハン事件。 これにはちょっとだけ僕個人にも関係している。

昭和14年に生まれ、平成元年に50歳で亡くなった僕の父は父親のいない私生児として生まれた。 「田代」というのは祖母の実家だ。
父が亡くなったあと、祖母はその人は満州に赴任して、ノモンハンで戦死した軍人だと打ち明けた。僕の父は生涯、自分の父親の名前も顔も知らなかったらしい。 知りたくないはずがないだろうと思ったが。
安彦良和が描いたより、実際の戦場はもっと過酷だったのかもしれない。

物語のラスト、生き残った主人公は自分の子を宿した女性のもとに向かおうとしながらも、戦場で力尽き、倒れてしまう。 これはいかん、涙腺決壊。 その場面に自分の祖父にあたる人の姿をみるようだった。

                          

 

2016年8月28日 (日)

小国とヤンセン・もりそば

先日、神保町の老舗画材店「文房堂」に行った。
、、が、目当ての道具は品切れ、というか廃番で製造中止! 残念。

せっかく神保町に来たのだから、古本屋を見て歩く。

、、!いいもの見つけちゃいました、、

 「小国とホルスト・ヤンセン 1993年~1997年」 (限定200部・No.28)

新潟県小国町の小国芸術村で毎年メインイベントとして開催されていたホルスト・ヤンセン展の5年分の展示を1冊にまとめたカタログ。

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200部限定なのに¥1500だった。 安い。

このカタログ、文京区の和紙店「紙舗 直」が関わってるためか、紙質がよく、印刷もきれいで単色の作品もオールカラー。 そしてすべての作品の紙の種類と版画技法が記してある。
マニアはこういうとこが気になるのだ。

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ヤンセンは「直」が送り続けた和紙に版画を刷っていた。

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展示は時系列に沿っているわけではなく、毎年テーマごとに選ばれていたようだ。

あらためてヤンセンの狂気じみた制作とその分量に圧倒される。

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神保町の古本街にくるとやっぱり立ち寄ってしまう。

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絶品もりそば¥280、って「富士そば」より「箱根そば」より安くて、そして美味いです。

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 画本 宮澤賢治 「銀河鉄道の夜」 

8月27日は宮澤賢治の誕生日です。 今年は生誕120年らしいです。

先日11日に日比谷野音でのSIONのライブに行ったときに、すぐ近くの日比谷図書文化館でイラストレーターでデザイナーの小林俊也さんが手掛けた賢治童話のシリーズの展示があり、ちょうどいいタイミングだったので立ち寄った。

小林俊也のライフワークともいえる「画本 宮澤賢治」は当初「パロル舎」という出版社から出たのだが、そのパロル舎が2011年に倒産。 
そして現在「画本 宮澤賢治」シリーズは「好学社」が引き継いで出版されている。

なので、同じタイトル、同じ内容、同じイラストの本が「パロル舎」版と「好学社」版の2種類がある。 会場ショップでは本の販売もあったので、入手難になるかもしれない「パロル舎」の「銀河鉄道の夜」を買った。

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「銀河鉄道」は賢治童話のなかでも長いものなので、ページ数も多く値段も他の作品よりやや高い(¥1900)。 ちなみに好学社版は¥2300だった。
しかし、ほぼすべてのページにスクラッチ(引っ掻き)技法で描かれた絵が単色でもカラーで印刷されていて、絵と文字の配置バランスも、ページ毎に違う紙の色の選択も見事!

鉱物を愛した宮澤賢治に合った、硬質なイメージの大人の鑑賞に見合った絵本です。

日比谷図書文化館では、まだ販売してるらしいので、興味あるかたは問い合わせてみてください。

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ところで、パロル舎が倒産していたなんて昨年まで知らなかった。

コレクションしていたわけじゃないのに、気がついたらパロル舎の本は数年前からけっこう買っていました。 

これは一部。

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出久根育さんが挿絵を描いた「グリム童話・おかしな兄弟たち」もパロルだ。

いい本が多かったのにいまさらながら残念だなあ。。

手元にある本は大事にしようと思う。



2016年2月27日 (土)

「 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 」

本谷有希子さんは昨年のTBSラジオの「トップ5」という番組の曜日レギュラーで出演していた時によく聴いていて、それで本職が「劇作家」だと知った。 それよりも彼女の喋りが面白かった。
小説家として、一年後の芥川賞をとるとは思ってなかったが。 

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「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」という挑戦的はタイトルの本は、もともと戯曲(舞台の台本)として書かれたものを小説化して、さらに2007年に映画化もされた作品だ。

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「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なのだ」
女優になるために上京していた姉・澄伽(すみか)が、両親の訃報を受けて4年ぶりに故郷に帰ってくる。その日から澄伽による、妹・清深(きよみ)への復讐が始まる。 高校時代、妹から受けた屈辱を晴らすために。。

主な登場人物は、澄伽、清深の姉妹に血の繋がらない兄、宍道(しんじ)とその嫁の待子の4人。 もともと舞台劇のためか、舞台設定が家の中が多い。そして、その舞台を再現するかのごとく、執拗な情景描写とどこか舞台の台詞を思わせる独特な言い回し。
主人公の澄伽はどこまでも自己中で勘違い女、なんだけど共感できるところもちょっとだけあったりします。

この本は、電車の移動時間で、わりと一気に一気に読んでしまった。
そして、読み終えたその日に、DVDで映画版を観た。

出演は澄伽が佐藤江梨子、妹の清深に佐津川愛美、兄が永瀬正敏、兄嫁が永作博美という、この作品にとっては最高のキャスティング!

だって、この出演陣を知って小説を読んでいると、DVD観るまえから、勝手に脳内で彼らが演技し続けて、もう映画観終わったような気になったくらいだ。

特に主演の佐藤江梨子は最高だな。「高慢で自分を特別だと思っている勘違い女」この役はこの人しか考えられん。(、、最大級に褒めているのです)

「やっぱりお姉ちゃんは最高に面白いよ。そんなに面白いのに私の前に帰ってきちゃ駄目じゃない・・・! お姉ちゃんは自分の面白さを全然わかってない!」

最後はほとんどマンガだな、と思って読んでたら、映画でその台詞の後のシーンはほんとにマンガになっていた。 最後の小道具は最初のほうに伏線があったのだな。

ラストは小説と映画でちょっと違う。まだこの先があるかのようなラストシーン。

惜しむらくは永作博美演じる、バカがつくほどお人よしすぎる兄嫁を映画でもうちょっと細かく扱ってくれたらいいのに、と思った。

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面白かったんで、パンフレット手に入れてしまいました。Amazonで¥200で。

過去の映画パンフレットでも、ヤフオクかAmazonでけっこう見つかりますね。
だいたい安いほうで入手してます。


2016年2月12日 (金)

「 絵本古事記 よみがえり イザナギとイザナミ 」

町田の有隣堂に注文していた画集が届いた。

「絵本古事記 よみがえり イザナギとイザナミ」 ¥2600

奇しくも今日2月11日は建国記念の日(紀元節)。
古事記や日本書記で初代天皇とされる神武天皇の即位日、らしい。

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作家の寮美千子と画家の山本じんの、書きおろしと描きおろしで紡がれる神話世界。
大人のための絵本。 山本じんの銀筆によるドローイングの情念の物語。

「絵本古事記は本作が1冊目」とあるので続編に期待したい。

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